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頭が重く耳も詰まっている感じ…にとどまっていたら
Aさんはマインドフルネスになっていくと、頭が重く耳も詰まっている感じがしてきたとのことなので、ここに意識を向けて感じて行くことにしました。
A …『ちっちゃい時、どうしていいかわかんなくて、困り果てていたけど、親にも言えず、問題が解決されないままになっていた…』『すぐ下に双子の女の子がいて、その子たちの世話をさせられていた…私だってちっちゃいのに…私だって面倒見てもらいたいのに…』『なんだか全部任されていたような気分になって重くのしかかっている…』と幼い自分の切ない気持ちが浮上してきました。
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お話を伺っていると、その場の雰囲気が伝わってきました。
みんな手のかかる双子ちゃんの方ばかり向いていてAさんの存在に誰も気づいてくれていないのです。手伝いが必要な時だけ、お姉ちゃんなんだからと言われて当然のごとくお手伝いをさせられる。
幼いAさんにとって、これほど理不尽で辛いことはないでしょう。訳がわからないまま、自分の存在が宙ぶらりんのまま、自分に自信が持てないまま数十年生きてきて、今やっと自分に向き合う時がきたという感じです。
人は生まれてから3歳ぐらいまでの間に『自分は大事な存在なんだ』と認めてもらう体験をしっかりしないと、その後の人生に不安が生じてしまうのです。
自分は大事な存在なんだという感覚は、自分の気持ちを肯定されることで生まれるのです。いくらお姉ちゃんだからこれくらいできるでしょ、と言われていくら手伝いをしたって、これは存在の肯定にはならないのです。
セラピーの中で今どんな気持ちなのか尋ねてみましたら『あ〜…笑顔で、私のことをしっかり抱きしめてもらいたかった…』という言葉が出てきました。
その言葉はAさんの「いのち」の声。『私の存在にちゃんと気づいてよ!…』『役に立っている、立ってないだけで見ないで!…』『私の存在を丸ごと認めて『ありがとう!』って心を込めて抱きしめてほしい!…』って訴えているんだなぁ〜とAさんの切実な
「いのち」の声が聞こえてきました。
そこで「いのち」の希望が叶えられるよう、しっかりと抱きしめました。
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ざっとワークの流れをお話しましたが、言葉がまだまだ不十分な幼少期の出来事だって、その時感じていた気持ちは体の記憶としてきちんと身体に残っているという事実。
この厳然たる事実こそ、Aさんの存在そのものと言っていいでしょう。
身体の記憶ってすごうな〜…と、このことに感動すると同時に、私たちを内面から助けてくれている「いのち」への敬意を感じずにはおられませんでした。