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アルバム談義

同じ年の友人が、アルバムを少しずつ手放していると言っていた。
涙がこぼれそうになった。
私には、まだ出来ない・・・
アルバムの世界にしか居ない人、家、風景・・・そして過去の自分・・・
私は一体、何に未練を残しているのだろうか?
押し入れの奥に年代順に並んでいるアルバム・・・滅多に見ることもないのに・・・
何かがそこに静かに眠っている・・・懐かしいだけでもない・・・自慢したいわけでもない世界・・・
私の生きてきた足跡だが・・・私の死と共に不要になる・・・でも、まだ捨てられない・・・
心残りがある・・・
23歳で死別した母への思慕の念がある・・・あれから・・・60年も経過していると言うのに・・・
母と・・・私は、もう少し語り合いたいのだ・・・昭和15年ごろは軍国主義が色濃く、軍人に嫁ぐよう期待されていた母は・・・ほのかに心を寄せていた人がいた・・・が・・・その人は薬剤師だったので、結婚を断念せざるを得なかった・・・さぞ切なかっただろう・・・
母の死後、その方にお会いした・・とても素敵な方だった・・・
アルバムを開けば・・・母に会える
もう一つ心残りがある。
アルバムの中に居る過去の自分だ。
当時は言葉になっていなかった思いが、今なら言葉になって次々と出てくる・・・
アルバムの中の自分は、弱音を言うまいと健気に頑張っている・・・そう言う自分と対話がしたい・・・
当時の自分に、『よく頑張ってきたね・・・もう肩の力を抜いていいよ・・・』『この時、心の奥では悲しくて泣いていたね・・・』って・・・優しく声をかけてあげたい・・・
今やっと・・・立派に生きようとしなくていい・・・誰かに認めてもらうための人生じゃないのだから・・・自分の心の裁量を信じて生きていけばいい・・・と、思えている。
人はみな自分の裁量というものがある・・・それを大切にし合えれば・・・それが一番気持ちがいい・・・心の奥の方から・・・ほっこりした物が湧き出てくる・・・これこそ、個の輝き・・・心の自由だ・・・
アルバムの中の私と・・・もう少しだけ・・・こういう話をしていたい・・・
セラピスト 福田京子
Illustration colored by Yoko Tamura,
supported by Naoko
