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自分の内面の声を聞く
たわいのない会話の中で、なんだかイラッとすることはありませんか?
すぐ浮かぶのは、相手の言動です。
「この言動が癇に障ったのだ」と分かった時、あなたはどうしますか?
先日、家族との話のテンポがズレて、話がなかなか前に進まなくなりました。
思わずため息が出てしまい、なんだか楽しくありませんでした。
一人になってから、自分と対話をしました。
『あまりにも想像力がなさすぎて、話がもたつく〜〜』
『私は、そういう鈍臭さが嫌いだ!』
何だか、結構プリプリしているので、我ながらびっくりしました。
そこで『何をそんなに怒ってるの?』と自分に質問をして見ました。
すると、『随分と、偉そうにしてるけど、何がそんなに偉いの?』と、逆に身体の奥の方から問いかけられてしまいました。
ハッとしました。
(ハラ)『相手のことを、随分と見下しているんじゃない?』『年老いて、
確かに少々もたつく所はあるけれど、そのことを怒ってるの?』
(アタマ)『あらっ』・・・『確かに私、偉そうに文句をいってる』・・・
『やだっ!』『恥ずかしい!!』
(ハラ)『気づいた?』『自分だけ高みに止まって、相手を見下しているよ。』
これは私の頭とお腹の会話です。このやりとりを聞いているうちに、私の苛立ちは、自分の傲慢さへの警報だったのだ。と、素直に気づくことができました。
人から、『あなたは傲慢だ』などと指摘されたら、すぐに素直に受け入れらません。『いや、そんなことはない』と、即座に言い訳が出そうです。
しかし、自分で自分の傲慢さに気づくことは、むしろ気持ちがいいものです。
『あら〜〜っ気付けて良かった・・・』という安堵感さえ感じました。
人間の心の奥底には、相手が子供や老人であろうが、誰であろうが、対等に付き合いたいという思いがあります。
何かができるとか、多く持っているから、高学歴だから人より優位に立っていると思うのは、みんな頭の錯覚です。生まれたときから、そういう価値観の中で育ってきましたから、誰もがそう思って当然です。が、これは全て頭の「思い込み」です。
落ち着いて、自分の奥の気持ちに耳をすませてみてください。量が多いからすごいなんて思っていません。むしろ、お互いに分け合いたいと思って居ませんか?
困っているときには、『どうしたの』と助け合いたいと思っているのです。そういう素直な気持ちが大河の流れとなって、私たちの心の奥をとうとうと流れているのです。
私が、家族との会話中に感じたイライラは、私の心の奥の大河(いのち)からの警告だったのです。
なるほどと納得がいった数日後に、また、あるはずのものが見つからないという事態が発生しました。
以前だったら『何やってんの?』と相手を追い込んでもおかしくない状況でした。
ところが、この時は全然違うのです。不思議なくらい気持ちが静かです。相手を焦らせたり、馬鹿にしたりしたくならないのです。
結局は見つからなかったけれど、お互いに終始穏やかで、とても気持ち良く過ごすことができました。私はこうやって、お互いの気持ちを受け入れて、穏やかに生きていきたいのだと、しみじみと思いました。
体の奥の大河の声を素直に聞き入れるだけで、こんなにも平和で居られるのです。今まで、ミスがあれば、ここぞとばかりに攻め合うのは、頭の早とちりなのだと、はっきり分かりました。
現代人は日々、頭ばかり働かせて生きていますから、イラつきの原因を相手に見出そうとしてしまいます。これでは、不愉快を大きくするだけで、なんの解決にもなりません。そればかりか、泥沼化させてしまうか、互いに見下し合いをするだけになってしまうでしょう。
そんな悲しいことを、人は誰も望んでは居ません。
ぜひ、マインドフルネスになって、頭の働きを少し休ませて、体の奥を流れる大河の声に耳を傾ける習慣を身につけてください。
大河の声、いのちの声が聞こえてくれば、眉間にしわを寄せイライラしたりしないで、心から穏やかに日々を送ることができます。そういうこころの仕組みを私たちは持っているのですから。
セラピスト 福田京子