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おせち雑感
私は結婚以来、毎年おせち料理を手づくりしてきました。
嫁時代は、料理好きの義母から、いろいろ教えてもらいました。当時はたくさんこしらえるので、大変で苦痛でしたが、今は、わたし流になっていますから、楽しみながら作ることができます。
2人の娘は料理が好きで、わたし以上に美味しいものを作るのが上手です。おせち料理も、定番のものに自分たちの好みの物を加え、おせち料理も進化させております。
その一つにローストビーフがあります。
ローストビーフは次女が丹念に作ります。お肉選びから仕上げまで、彼女のローストビーフへの思いには、深いものがあります。
調理する前、冷蔵庫から出して肉をリラックスさせる。時々優しい眼差しで眺めている。いざ焼き始めてからは、全体の大きさを見ながら、焼き具合の調整をしていくのです。ただマニュアル通りに作っているのではないのです。
最後の仕上げでは、あと何分火を入れようかと、真剣に肉と対話しているのです。『ここで6分は多いね。』『そうだね。』『後4分にしよう。』と肉と話をしているように丹念に焼き上げているのです。
今年は、一段と見事な出来栄えでした。焼きすぎず、色味も美しく、スライスするとしなやかに美しい曲線で包丁に沿って折れ曲がってきました。きちんと肉に向き合って観察し、感じ、決断し、行動して丁寧に仕上げた一品となったのです。
ふっと佐藤初女先生のお姿が、彷彿と思い出されました。先生は、ほうれん草を茹でるときにも、片時も目をはなさず、食材から食べ物に変わる瞬間を大事にされていました。
些細なことのようですが、目の前のものにきちんと向き合うその尊重の姿勢に感動を覚えたのです。これは、自分を大切にしていることですから。
大切に調理されたものを振舞われることは、その大切さが循環しますから、嬉しいものですね。
セラピスト 福田京子