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ネガティブな感情の連鎖
これは、よく目にする光景です。
例えば、自分が親に十分甘えられず、我慢強く頑張ってきた人にとって、のびのび自由に生きている人を見ると、なんだか癇に障る、子供が甘えてくることも許しがたく、甘えは悪いこと恥ずかしいことのように毛嫌いする、制限したくなる・・・など。
しかし、子供は二つの「いのちの願い」そのものという存在ですから、それが受け入れてもらえないことは、一大事です。どんなに頑張って訴えても歯が立たないことがわかると、親のように自分を無くし、人に合わせて生きようとし始めます。または、そういう生き方はしたくないと思うと、辛さを引き受け、自分は幸せになってはいけないと、無理やり思い込んでしまうこともあります。
親が、自分を無くして生きていると、無自覚に子供のことを、自分と同じようにコントロールしようとします。子供時代には、決して親のようにはならないと思っていたのに、表面的には違っているのですが、根本のところでは、全く同じことをしてしまうのです。これは、自分がされて嫌だったことの単なる裏返しをしているにすぎないので、根元が変わっていないので、これではネガティブな感情は強くなる一方です。
これは非常に由々しきことで、ネガティブな感情の連鎖の始まりになっていきます。
今の日本は、物質的には恵まれているのですが、精神面では愛の無い「この連鎖状態」が蔓延しているように思えてなりません。他人の目が気になるという気持ちの下には、いつ自分のせいにされるかわからないという、不安があるからではないでしょうか。
このネガティブな感情の連鎖を断ち切っていくには、自分の内面に向き合っていく勇気を持った人の存在が欠かせません。ネガティブを他人のせいにして、自分をごまかさない勇気、自分の弱さを認めていく勇気を持っている人に関わってもらうことです。
世間の風潮に迎合していくのとは反対に、人間の根源にある「いのちの願い」を満たしていく方向に意識を向けていきましょう。
必ず、連鎖するネガティブな感情から抜け出して、本物の幸せの扉の前に立ち、その扉が自然に開いていくのを体感することができることでしょう。
セラピスト 福田京子