マインドフルネス・セラピー ぬくもり

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2020.10.24
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ネガティブな感情について

 

あの人から、こんなこと言われた。親から、兄弟から、先生から、友達から、世間からこんな扱いをされた。だから私は、人が信用できない、許せない、あの人のせいで、自分らしい人生を送ることができない、色々やりたいのに集中できない、幸せそうな人を見ると悔しい、こんなに頑張ってるのに自分だけ損している、仕返してやりたい、見返してやりたい、・・・こういう気持ちを抱えていませんか?

 

こういう誰かのせいで・・・という感情は、確かに、体験として誰かの言動によって、びっくりしたり、悲しかったり、さみしかったり、恥ずかしかったりした時に湧き上がってきたものです。誰もが体験するものです。この状態は、かつて味わったネガティブ感情が、誰にも共感されずに、ぎゅっと心の奥に固まったままになっているのです。記憶として、出来事とそのきっかけになった人や出来事が一つにくっついている状態です。

 

こういうトラウマ体験は大なり小なり誰にでもありますが、マインドフルネスになって無意識につながると、出来事と、その時の感情とが別々に離れてくるようになります。

 

これを意識的に行うには、生々しい感情が出てくるので、難しいところがあります。しかし、マインドフルネスになって無意識とつながってじっくり感じていけば、自然に分かってくるのです。

 

事実として起きたことは起きたこと。自分がその時に感じていた感情とは別のものです。事実を消すことはできませんが、その時に感じていた恐怖、寂しさ、悲しさ、悔しさ、恥ずかしさ、焦りなどといういろいろなネガティブな感情は、きちんと共有され、共感されれば、少しずつ薄まっていき、出来事からだんだんと切り離され別々のものになっていきます。

 

例えば、その時、自分の存在が著しく否定され、それが非常に嫌だったのだと、はっきりその時の感情が分かってくれば、出来事よりも、自分の本質である存在は、他の人から否定さるものではないと、はっきりと感じられてきます。自分への尊厳を取り戻すことができれば、自然に他の人々への優しさが深くなってきます。

 

この心の静けさが感じられれば、意識に悔しさが残らないので、ネガティブな感情はどんどん薄らいでいきます。

 

根源的な人間の感情は二つの願いを持っています。

一つは、愛されたい。触って欲しい。暖かさを感じたい。心のつながりが欲しい等々

(受動的な要求)・・・
ここが満たされることで、安心感、自己信頼感、自己肯定感、などが
でてきます。満たされないと、さみしさ、孤独感が出てきます。

 

もう一つは、自分らしく生きたい、人のいいなりに生きたくない、人の顔色を
伺って動きたくない、自分の感性で感じたい、自分でやりたい、(能動的な要求)・・・
ここが満たされることで、生き抜く強さ、意思、行動力、などが出て
きます。ここが満たされないと、怒り、悲しみ、恨み、生きる意味や
目的、生きる意欲や希望が希薄になってしまいます。

 

ネガティブな感情は、何かの出来事と一緒に、この二つの「いのちの願い」が断ち切られ、いくら求めても、到底手に入らないだろうと知覚された時、ぎゅっと硬い塊となって意識と一つになっていることが多いのです。このネガティブな感情は自分の人生を狭め、常に人のせいにして生きなければならず、自由な自分の人生が拓けていきません。

 

常に自分を被害者にして身を守ろうと、幼い頃に身につけた習慣から抜け出すには、とにかく心と身体の安心を体験して行くしかありません。繰り返し、繰り返し安心の体験をしていくことです。

 

理論的な学びを通して、頭で安心を手に入れたような気になっても、残念ながら頭で理解した安心感では、心と身体は緩まないので、心の安心にはつながっていかないのです。

 

無意識とつながって、ネガティブな感情を感じ切って行くことによって始めて、身体の感覚として「いのちの願い」が少しずつ満たされてくるのです。「いのちの二つの願い」が体験的に満たされて始めて、ネガティブな感情から抜け出せるのです。つまり、『せっかく生まれてきたのだから、よし!自分らしく生きてみよう』と腹が座ってくるのです。

 

セラピスト 福田京子

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