マインドフルネス・セラピー ぬくもり

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2020.03.08
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本当の自分を知る  その3 

 

「愛着」

 

本当の自分を知るには「愛着」の感覚がとっても大切です。

「愛着の絆」というのは、自分は大事な存在だという実感です。

 

ここに不安があると、心の深いところで人への信頼が持てないので、自分の存在を丸ごと肯定される安心の体験が、とっても大切になります。

 

私たちが健やかに生きるためには、二つ大事な身体からの要求があります。

一つは、目に見えるもの。もう一つは、目に見えない気持ちです。

 

人間は生まれた時から、人と深く関わりを持ちたい要求を持っています。ですから、いくら目に見える形で完璧なお世話をされても、それだけでは、心が満たされないのです。

 

何より求めているのは、親や養育者から『あなたは大切な存在だよ』と、無条件で認め、愛してもらうことです。どんな時でも優しい声をかけてもらったり、丁寧に体に触ってもらうことです。

 

赤ちゃんは、生まれた瞬間から、生きるために必要な要求を伝えるすべを身につけています。夜中だってお腹がすけば、泣いたり、むずかったりします。その都度、親や養育者から丁寧に接してもらって、その要求を満たしてもらわなければ、安心感を持って成長することはできません。

 

人間の成長は、他の動物より長い時間がかかり、いっぱい人の手をかけてもらう必要があります。そしてゆっくり成長するところに大きな意味があるのです。

 

この時期は、自分がどれほど大切な存在であるのかを、身をもって感じていくかけがえのない大事な時間なのです。私たちはみんな赤ちゃんでした。この乳幼児期は、大人から、心からの優しさを沢山もらい、泣いても笑っても怒っても丸ごと大事にされる天下御免の存在なのです。そうやって温かい愛の眼差しをたっぷりと注いでもらって育つからこそ、自分以外の人にも惜しみなく、その愛を伝えることができるのです。自然にそうしたいという自発的な慈しみの気持ちが育つのです。これは理屈ではなく一人一人の人間の心の奥深くに備わっている「いのち」の感覚です。

 

しかし現代に生きる私たちは、大人になるにつれて、存在としてというより、見えるところで何が出来るか否かが大事になってしまって、成果や結果ばかりをもてはやすようになっています。そして幼児期に持っていた自分がかけがえのない大切な存在であることを、すっかり忘れてしまっているのです。

 

本当の自分を取り戻す第一歩は、ひとり一人に備わっている本来の感覚を蘇らせていくことです。温かい人と人のぬくもりを思い起こすことです。

 

しかし、生育の過程で、この温もりを十分に得られないこともあります。が、幸いなことに人間にとって必要不可欠なものは、実の親からでなくても、また大人になってからでも、必要な分を感受することが可能です。

 

私はセラピーを通して、この得られなかった体験を満たすセッションを行っています。と言いますのも、「いのち」と「いのち」とが出会うワークをしていますと、自然にここに行き着くのです。愛着の絆が満たされてくると、存在の対等な関係、相手も自分と同じに大切な存在なのだと、ごく自然に思えてくるのです。

 

愛着の絆が結ばれた安心の関係の中から、本当の自分が徐々に姿を表してくるのです。

 

セラピスト 福田京子

 

 

 

 

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