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古い自分と新しい自分との葛藤
これは、個人セッションを受けた後に、Kさんが話してくださったことをまとめました。
Kさんは、家族の中で長いこと孤立していて、「自分なんか生きている価値がない」と小学校低学年の頃からずっと思っていました。
『両親や兄弟から常にお前はダメだ、ドジだ。お前は何をやってもノロマだ。と散々言われ続けていた。学校でも、特に運動が苦手だったので、からかわれることが多かった。ひどい言葉をかけられたこともいっぱいあった。それでも何事も無かったように作り笑いをしながら、なんとか生きてきた。社会人になっても、そういう状況はあまり変わらず、自分はいつも、一人ぼっちで、個別で生きるしかなかった。ほとほと心身が疲弊してしまい、今は休職している。(古い自分)』
『ここへ来て、いろんな自分の気持ちを、否定されずに、たくさん聞いてもらった。今まで自分が悪いからうまく行かないのだ、と、何かにつけ自分を責めていたけれど、最近はそこまで自分を責める必要ないと、感じられるようになってきた。『物心ついた頃からことごとく否定されてきたので、自分は存在していてはいけないと思っていたが、これは単純に、自分を肯定される体験がなかっただけだったと分かった。』(新しい自分)
『素の自分を丸ごと肯定されることが、こんなに嬉しいとは思わなかった。肯定される体験が増えてきたら、だんだん自分はダメではない気持ちになってきた。』(新しい自分)
『素の自分を出していいんだ・・・』『のろくたっていいんだ!これが私だもの・・・』とKさんは新しい自分に目覚めてきたのです。
ところが、ときどき古い自分が鎌首をもたげると『あの人は、何でもできるでしょ。あの人と私とは違うのよ』と、すねることがあると言います。古い自分が出てくると、途端に孤立しようとする』と、正直な気持ちをシェアしてくださいました。
しかし、以前と違うのは、『すねて居る自分だけじゃない。今までは自分とは別世界の人だと思っていた人が、実は自分と地続きなんだ!自分は一人じゃないんだ!としっかりと思えている。』『孤立感を長い間持ち続けていたから、すぐにすねそうになるが、今は一人じゃないとちゃんと感じられている。』
最近は
『大好きだよ』って言ってください。『素の自分が出ても安全だよ』って言ってください。『古い自分と新しい自分が葛藤していても、大丈夫だよ』って言ってください。と注文が出てくるようになりました。何度でも注文の通りに言葉をかけます。最近のKさんはセッションの後に『この感覚があれば大丈夫!』と、安心を身体の芯で感じながら帰っていかれます。
マインドフルネス・セラピー 福田 京子