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感情と感覚
朝起きてから寝るまでの間に、私たちは実に色々な事を思い、感じながら行動しております。
今回私が取り上げているのは、瞬時に色々感じている浅い感情だけではなく、この感情の下に、もう一つ体が感じている身体感覚というものがあって、そこに意識を向けていくことが心地よく生きる上で重要である、とお伝えしたいのです。
つまり、頭由来で感じている気持ちと身体が感じている気持ちには、大きな違いがあるのです。
頭由来ということは、多くの情報や知識、見聞きしたこと、他人の言葉から考えたことなど、外側からの刺激が基になっています。
それに対して身体感覚というのは、お腹で感じている感覚。言語化されるのに少し時間がかかる微かな感じ。外部の情報に左右されない個々人のオリジナルな感覚の部分で、本音と言われる部分です。
自分のお腹で感じていることは、いくら頭で考えてもわかりません。
ただし、マインドフルネスになって意識を自分の身体に向けていくと、自然に無意識と繋がってきて、自分の本音の部分が感じられてくるのです。
私の師匠である手塚郁恵先生は、ハコミセラピーの創始者であるロン・クルツ氏から直々にセラピーを学んでこられた方です。手塚先生はハコミセラピーのメソッドをベースにして、さらに無意識とつながってクライアントさんの心の深いところまで丹念に寄り添っていくセラピーを、実践の中から体得されていました。
その貴重な学びを、マインドフルネス・セラピーの真髄を、惜しみなく私に伝授してくださいました。
マインドフルネス・セラピーは、無意識とつながってワークをしていきますから、ダイレクトに「いのち」と対話をすることができるのです。『なるほど・・・そうに違いない・・・』と、しみじみと腑に落ちて分かってくるのです。
その結果、自分の気持ちの深いところで信じていた事柄が実は幼児期の体験と結びついた「思い込み」であって、外部からのものであった・・・と、納得がいき、大人になった今はもういらないと、無理なく根源から手放していくことが可能になるのです。
感情は、「中心的な思い込み」を固辞しようとしている頭の働きです。この感情を自分の本音だと思うのは違います。
よく『嫌だと感じているのだから、この気持ちは私の本音です』と言い張って、人の話に耳を貸さない人がおりますが、人の話に耳を貸さない強い感情は身体感覚ではありません。頭が支配している感情です。
この感情に固執しないで微かな身体の感覚に意識を向けていくことによって、本当の自分自身に遭遇することができるのです。
この“微妙な違い”は身体感覚としてしみじみと感じられてくるものであり、そこには『そうに違いない・・・』という落ち着いた感覚が伴っています。
感情と、身体感覚の違いを実際に体験してみてください。
身体感覚と対話して行くことは、自分の魂との対話であり、マインドフルネス・セラピーは、自分の可能性を遺憾無く発揮して行くための、素晴らしい手法です。
まだまだ、セラピーは心に問題を抱えている人が受けるものという偏見がありますが、これは間違った認識です。
セラピーは、人生を豊かにし、自分の心の成長を援助する方法です。もっと普及したらいいと思っています。