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ピカピカの自分
電話セッションの記録。
『私は人から褒められたり、良いことがあったときに素直に喜べない。すぐに、そんな筈はないという否定の気持ちが出てきて、不安になってしまう・・・』というAさんの悩みからセッションが始まりました。
Aさんは生育の過程で、両親が自分を可愛がってくれているのはわかって
いるが、父親はその時の気分で、突然叱ってきたり、例えば、幼い頃お風
呂に入りたくないのに無理やり入れられて、髪の毛まで一方的にゴシゴシ
洗ったりされるので、凄く嫌だった。いくら嫌だと言っても、聞き入れて
もらえないばかりか、嫌と言えば、父の機嫌が悪くなって家中が険悪にな
るのでそれが何より嫌で、自分の気持ちを言う事ができなかった。
母親は、お父さんが言っていることに逆らわないほうが良いと言うだけな
ので、Aさんの嫌だという気持ちは我慢にすり替わって行った。母親も怖
くてオロオロしていた状態。
そういう環境の中で育ったAさんは、体調不良になり学校に行かれなくな
った経緯もある。病院に通って薬の治療を受けたり、カウンセリングや
セラピーも多く受けてきた。
現在は、両親も話を聞いてくれるようになったので、随分生きやすくなっ
ている。
最近のAさんは、自分の可能性を信じ積極的に行動範囲を広げ、興味のあ
ることに次々と挑戦している。
今回、自分の心のパターンに気付き、心の自動装置にとどまってみたいとセッションをすることになりました。
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A『私は素直に喜びたいのに、ダメダメがどんどん大きくなってくる・・・』『胸が苦しい・・・』
私はAさんの話を共体感しながら、ひたすら聴いていました。そのうち、私のいのちの違和感センサーが作動し始め『それってAさんの本当の気持ち?』って静かに声をかけました。
A『あっ!私の気持ちじゃない!』『私の気持ちの上の部分が溶けていて、他の人の気持ちと同化している・・・』
『そう・・・どうしたい感じなの?』
A『同化しているところを取り除きたいよ・・・こういうのは嫌だ・・・気持ち悪い!・・・』
『そうだね・・・』
A『嫌だけど・・・乱暴に扱いたくない!・・・・』
A『あーっ・・・何だか・・・つるんと・・・ぴかぴかの私が出てきたっ!・・・』
A『空気が美味しい・・・』『今までと違う・・・』『全てが新鮮だ!・・・』
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Aさんは、無意識とつながって自分の感覚に身を委ねていくうちに、ピカピカの自分に出会い『空気が美味しい・・・』『明るい・・・』『こんなに嬉しくていいんだ・・・』と電話の向こうから悦びに満ちた声が聞こえてきました。Aさんは幼い頃から長いこと自分の気持ちを抑圧していましたが、抑圧の下では、本来の自分が見事に育っていたのです。
人間の無意識の中には、生きる力「いのち」が宿っていて、どんな状況下にあっても挫けることなく、身体の芯から自分自身を助けてくれているのです。感覚がセッションをリードし始めるとAさんのように、無傷の「いのち」が顕現してくるのです。
「いのち」と「いのち」が向き合っているときは思考が消え、自我が無くなっています。ここからの気づきは、自分の本質とつながっていますから、本来の自分へと無理なく導いてくれます。
私はいつも、その神々しさに頭が下がるのです。
セラピスト 福田京子