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曾孫の産声を聞いて
10月に曾孫が誕生しました。
その泣く声は『私、生まれてきたよ!!』『まっすぐに私をみて!!』『ちゃんと私に気持ちを注いで、私だけを見て!』『気持ちを込めて抱っこして!!』って全身全霊でうったえている・・・って、すっと聴こえてきました。
思い返してみると、私は結婚の1年前に母を亡くし、その悲しみとショックが癒されないまま、出産し、子育てをしておりました。
先日、娘とくつろいで話をしている時『私が生まれた頃、我が家に何か異変があった?』と真顔で問われ『えっ?』何のことだろう・・・と思いましたが、もしかして、私の心の内の事を彼女は感じ取っているのではないかと思い、後日ゆっくり話す時間を持ちました。
そして、赤ちゃんは感性だけで、その時の親の気持ちや家庭の雰囲気、状況を的確に感じ取っていたのだ・・・と知り、本当にびっくりしました。
当時の私は、継母に対して『父を、実家を私たちから奪い取らないで!』と抗議し続けていましたが、父にも継母にも全然通じないことに落胆していました。
赤ちゃんにとって、お母さんの優しい眼差しが十分に届いていない・・・いつも悲しそうな顔をしている・・・という感覚は、自分が存在していていいのだろうか?・・・とさえ思うほど根元的な不安になって当然だ・・・と、今回、身に沁みて深く感じました。
私は、次女出産後間も無く父との関係を絶つことにしましたが、これは、心に蓋をして封印しただけのもので、心の中には鉛の塊がそのまま放置されていた状態でした。
今回娘は、『私の気持ちの上に、私と関係のないものが乗っている気がして重いよ!』『今までは親に、こんな話しても、通じないと思っていたけど・・・今なら通じる気がする』と。
娘のこの言葉は、私の心の奥に響きました。
子育て中に私は、自分の価値観や生き方に何の疑問も持たず、無自覚のまま自分の都合の良いように、目の前の出来事だけを追いかけているだけで、子どもの気持ちに全く気付いていなかったのです。
頭だけの思い、頭から出ている感情は、周囲が全く見えていませんから、家族に対して精一杯やってきたつもりでも、子どもの気持ちの上に、余分な気持ちを載せていたに過ぎなかったのだ・・・と、よく分かりました。
大人や親は、目に見えるお世話をしていれば、それだけで親の役目は果たしていると思っているのですが、授乳やおむつの世話だけでは、人間としての気持ちの部分は育っていきません。それだけでは片手落ちになってしまいます。
この乳幼児期は、生きる上で大切な安心の感覚を体得していく、大事な時期なのです。つまり自己信頼感、自己存在感、自己尊重感が育まれる心にとって大事な時期ということです。
自分に自信がないと言う方の中には、この時期に十分な安心感を得られていない場合があるのです。
乳幼児期の子どもは、目には見えない感覚の部分で親をはじめ、周囲の人たちとコミュニケーションをとろうとしています。言葉にはなっていないけれど、心地の良い気持ちと気持ちの交流を、何よりも強く望んでいるのです。
私は今、こういう大切なことを、「いのち」のメッセージを、次の世代の人へ、きちんと手渡ししていかなければいけない・・・と自分の体験を通して切実に思っています。
では、乳幼児期の子どもにとって、一番大切なこととは何なのでしょう?