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乳幼児期に自己信頼感が育まれる
前回のブログで、赤ちゃんの産声は、赤ちゃんの「いのち」からの大事なメッセージなのだということを、書きました。
ひらがな表記の「いのち」は、生き物の生命力の根源にある働きで
その人らしく生かしてくれる普遍的な力です。
赤ちゃんは、生まれた直後からはもちろんのこと、おそらくお腹の中にいる時から、肌の感覚を通して、両親の気持ちや、自分を取り巻く家族の状況を的確に感じ取っているのでしょう。
生まれたては3時間おきに泣いて、お乳を飲み、オムツを替えてもらい、またすやすやと眠っているだけですが、その間に脳は刻々と成長して、体全体で自分の存在を主張し確認しているのです。
生後3ヶ月くらいまでの「いのち」は、受身としての願いを持っています。親や、周囲の人達からいっぱい優しい声をかけてもらいたい。丁寧に触ってもらいたい。優しい眼差しで自分のことだけを見ていてほしい。おっぱいの匂いに包まれていたい。しっかりと抱っこされていたい。何があっても一番に守ってもらいたい・・・と。
これが安心(快感)の基盤です。
ちょっと想像してみてください。この時期に、いくら泣いても誰もそばに来てもらえないとか『泣くな!』なんて叱られたとしたら・・・
セラピーをしていると、ここのところの不安や恐怖が出てくる事がよくあります。
大人はつい忙しさにかまけて、泣き疲れればそのうち泣き止むだろうなどと、軽く考え、目の前の仕事を優先してしまいがちですが、赤ちゃんが泣くのは、『私の存在を何よりも大切にして・・・』という「いのち」からの最も重要な叫びなのです。だからあんなに、けたたましく泣くのでしょう。
そして、全身全霊でいくら訴えても、「いのち」の受身の願いが叶えられないという乳幼児期の体験は、意識には残っていなくても、無意識の中に深く沈み込んで、不安(不快感)の元になっているのです。
乳幼児期の不安は、成長してからも、親の不機嫌さやイライラに過敏に反応しやすくなり、周囲の人の顔色までも気にしたりして「自分は居ない方が良いのかも・・・」とか「自分が悪いから、こんな扱いを受けるんだ・・・」などという、自分の存在を自分から否定していくような、生きにくい生活パターンを作りやすくします。
もしここに不安があるとしても、無意識とつながるワークをしていけば、「いのち」からの受身の願い(要求)を満たしていくことができるのですから・・・諦めなくて大丈夫なのですよ。
人間である以上、誰だって理想的な子育てなどできません。むしろ、知識のみでそうしようとしたら逆効果になることでしょう。
子育ては、もともと本能的な感覚の領域であって、本質的な感覚に委ねていければ、もう少し自然な親子関係になるのでしょう。しかし私たちは、すっかり頭人間になってしまって、理性に偏った考え方で、全てをコントロールしようとして「いのち」からの声が聞こえなくなっているのです。
だからこそ、こういう時代だからこそ、本来の心地よさ、快感、安心ってどういうことだろう・・・って改めて感じ直して見ることが、とっても大切なのだと、思っています。
そこで、一つの試みとして、大いに想像力を発揮してみてください。
生まれたての赤ちゃんになった気分になって、こんな言葉に耳を傾けてみてください。
『生まれてきてくれてありがとう〜〜』
『あなたが生まれてくるのを、心から待っていましたよ〜〜』
『みんなで大歓迎していますよ〜〜』
『なんて、かわいいんでしょう〜〜』
『かけがえのない、大事な大事な存在ですよ〜〜』
『あなたのことだけをちゃんと見てますよ〜〜』
『あなたに会えて、本当に嬉しいわ〜〜』
『大切に抱っこしていますよ〜〜』
『泣いても、ぐずっても、何をしても、全部かわいい〜〜』
『・・・・・・・・・・・』
いかがでしょうか?
今、どんな感じがしていますか?
どうぞ、お腹の底の方から心地良さが湧き上がってくるまで、何度もなんども心地よい言葉を自分自身にかけてあげてください。