マインドフルネス・セラピー ぬくもり

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2022.06.05
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夫が新型コロナ肺炎にかかりました

5月の末、私が夕方帰宅したら、夫(85歳)がベッドで赤い顔をして寝ていました。昼頃から発熱し始めたとのこと。夜になると一気に39度を越す熱になりました。

 

喉の激しい痛みを訴えていましたので、コロナを疑い、早速に家庭内隔離。

 

翌朝かかりつけ医に連絡し、抗原検査キッドで陽性が判明。あっという間に私も濃厚接触者になって、家の中が危険な場所になってしまいました。

 

かかりつけ医からは『保健所に連絡しておくので、これからは保険所の指示に従ってください』とのこと。

 

数時間後には保健所から、急変したら連絡くださいと「コロナ119」に繋がりました。朝からのコロナ陽性騒ぎでバタバタして、みんなが疲労困憊、長い1日を過ごしました。

 

翌日の夕方、39度以上の熱が上がったり下がったり、パルスオキシメーターの値が93。タンがひどくなってきたので、「コロナ119」に何度も連絡しました。でも保健所側のガイドラインでは入院の基準には達していないらしく『もう少し様子をみてください』で、さっぱり埒が明きません。

 

保健所とのやりとりでわかったことは、国のコロナ対策のガイドラインに沿った対応であって、個々人の容体とは関係がないらしいと察知。今の夫の状態は、保健所の指示に従って様子を見る段階では無いと判断し、その日の夜9時の段階で入院を決断し、救急車の手配をしました。

 

入院から2日後、担当医からの電話で、『新型コロナ肺炎。中等症2。酸素投与が24時間欠かせない。抗ウイルス薬と抗生剤を点滴で投与中。2週間くらい経たないと、重症化するかもしれないので、予断を許さない状態です。』と告げられ、ことの重大さを改めて知りました。

 

あの時、まだ意識もはっきりしているし、もう一晩様子を見ていたら、どうなっていたのだろうと、冷や汗が出ました。

 

今回の一連の流れを通して学んだことは、自分の感覚を一番に信じて、状況を把握し、腹をくくって行動しなければいけないということです。

 

いつの間にか私たちは、自分の体のことなのに、医者任せ、検査の結果任せ。何事も重大なことは、医者や行政がやってくれると、何でもかんでも他人任せにする体質になっているという現実です。ここに慣れすぎていると、物事への真剣な向き合いが、疎かになるという怖さがあります。

 

確かに一定のガイドラインがあって、その範囲内で対処すれば、何が起きようが、世間からは守られます。家族だって、保健所の指示に従って行動していれば、最悪なことが起きても、悔いが残らないのでしょう。

 

しかし、私たち生きている人間は、体のことは勿論、刻々と変化する状況を感じ取れるセンサーをみんな持ち合わせています。そして今、何が起きているのかを素早く感じとり、今、何をどうすればいいのかを判断し、勇気を持って決断できる能力を持っているのです。その能力を眠らせていては勿体無いのです。

 

これは、他人に頼らず、自分一人で全てを抱えると言う意味ではありません。

 

普段から感じる習慣を身につけておけば、突然起きる不測の事態に、逃げずに人任せにしないで、真剣に向き合うことができるのです。そしてSOSを素早く出して人に助けてもらうことが可能なのです。

 

自分の感覚がきちんと立っていなければ、目の前の状況が正確に判断できません。状況の判断を見誤ると、物事は混乱して泥沼化し、責任の転嫁が必ず始まってしまいます。

勿論生身の人間ですから、判断ミスや決断ミスはあります。その時、感覚を常に磨いていれば、状況の見極めが素早くつくので、過ちを隠さずに認め、適切な対処ができます。それでも結果がまずい場合も沢山あります。

 

しかし、真っ正面に取り組んでいれば、自分を頑なに正当化したり、人を責めたり、誰かを恨んだりはしないで済むのです。何が起きても、受け止めて行くことができるのです。これが大切なのだと私は思っています。

 

物事には何だって限度というものがあります。限度が全うされることが、寿命を含めて一番自然のことだと思うのです。

 

今回こそ、マインドフルネスを学んでいて良かった、と思ったことはありません。心のことを学ぶことは、自分の感性を磨くことなのです。

 

医療の進化も素晴らしいけれど、それだけではなく、生きた人間の感覚が、刻々と変化する状況を見極め、的確に見えない力を導いてくれるのだと実感したのです。

 

そして、家族のチームワークの力、コミュニケーション力が、夫の生きようとする力を、惜しみなく後押ししたように思います。

 

有形無形のご加護のお陰で、10日間の入院で、無事に退院することができました。

 

最近はコロナの嵐も遠のき、コロナの重症化なんて無縁かも、、、と、勝手に思い込んでいましたが、現実に起きていることは、いつ我が身に起きても不思議ではありません。

 

だからこそ、我が身に起きたことは、逃げずにとことん向き合って行くことが大切なのだと、切実に学ばせていただきました。

 

セラピスト

福田京子

 

 

 

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