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2019.09.13
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永観堂禅林寺「見返り阿弥陀」に出会って
今日の新聞を見ていたら、永観堂禅林寺の御本尊「見返り阿弥陀」様の写真が目に飛び込んできました。この御仏は、写真のように左を優しく振り向いておられます。ひと目で、『こちらを見てくださっている』という気がして、嬉しくなり体が温かくなりました。
自分の存在に気づいてもらうことほど嬉しいことはありません。
* 私、ここにいるのよ!気づいて!
* 『どうしたの?』って優しく声をかけて!
* ちゃんと私だけを見て!
セラピーを受けに来られる方が、一番訴えておられるのが、 このことです。自分の存在の承認要求です。ですから、「見返り阿弥陀」様の、この慈しみの眼差しに出会えたなら・・・
この眼差しさえあれば、私はちゃんと立ち上がれる。
この眼差しさえあれば、寂しくない。
この眼差しさえあれば、今、何をしたいのかが静かにわかってくる
この眼差しさえあれば、勇気が湧いてくる
この眼差しさえあれば、私が私であっていいと感じられてくる
この眼差しさえあれば、ひとりぼっちじゃない、繋がっていると思える
この眼差しさえあれば、人に優しくなれる
この眼差しさえあれば、大丈夫だと思える
この眼差しさえあれば、心が満たされてくる
私はこの眼差しを、生まれた時から求め続けていた・・・・と。
このたおやかさは、子供が『お母さん』と声をかけた時『なあに』と振り返り、何があろうとも丸ごと受けとめてくれる母の深い心なのではないだろうか。そして、日々の生活のなかで忘れているけれど、人間の心の深いところには、こういう慈しみの気持ちがあるよと、静かに示唆してくださっているような気が致しました。
セラピスト 福田京子